株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)の欧州法人であるispace-EUROPE S.A.(以下ispace EUROPE)と、宇宙運用および惑星探査ミッションを支援するエンジニアリングおよびロジスティクスサービスの中核を担うイタリアの企業、ALTEC – Aerospace Logistics Technology Engineering Company S.p.A.(以下ALTEC)は、月面探査ローバーの試験、ミッションシミュレーションおよび運用訓練における協業の可能性を検討するため、覚書を締結しましたのでお知らせいたします。

第77回国際宇宙会議にて覚書締結式を終えた、ALTEC CEOのVincenzo Giorgio氏(左)とispace EUROPE CEOのJulien-Alexandre Lamamy(右)
本覚書に基づき両社は、ispace EUROPEが月面を模した環境においてローバープラットフォームの運用をシミュレーションするため、ALTECの施設活用を検討します。協業には、月面探査ローバーのプラットフォームおよび関連機器の機能試験、ミッションシミュレーション、オペレーターのリハーサルやサブシステムおよびシステムレベルでの検証、妥当性確認、ならびに運用チームを対象とした訓練や認定プログラムなどが含まれる予定です。また、月面探査技術、月面モビリティ、宇宙資源の活用に関する幅広い協力についても検討していきます。
イタリアのトリノを拠点とするALTECは、Thales Alenia Spaceとイタリア宇宙機関(ASI)が出資する民間企業です。2019年から、欧州宇宙機関(ESA)のExoMars Rosalind Franklinローバーのミッション管制施設、Rover Operations Control Centre(ROCC)を運用しており、現在はローバーシステムの地上試験に活用されています。
また、ALTECはASIの資金提供を受け、ロボティクスによる月面探査ミッションおよび関連する運用シミュレーションや試験に特化した、新たな月面シミュレーションセンター(Lunar Simulation Centre)の開発を進めています。同施設では、将来の月面ミッションに向けた技術、システム、運用コンセプトの試験・検証を支援するための、月面を模擬した環境や機能が提供される予定であり、惑星探査におけるイタリアの役割をさらに強化することが期待されています。
今回の協業はispace EUROPEにとって、月面探査ローバーのラインアップおよび将来の月面モビリティミッションの開発を進める中で、欧州における専門的な試験やミッション運用インフラへのアクセスを拡大する重要な機会となります。
- ispace EUROPE CEO、Julien-Alexandre Lamamyのコメント
「月面を模擬した環境での試験やシミュレーション、オペレーターの訓練は、月面での活動を成功させるために不可欠です。ALTECとの今回の協業を通じて、ispace EUROPEが培ってきた月面探査ローバーの開発・運用に関する知見と、ALTECが有する高度な月面模擬施設、そして惑星探査ミッションの運用に向けた試験に関する専門知識を融合する機会となります。
また、今回の合意は欧州における月面探査エコシステムのさらなる発展を示すもので、ALTECをはじめとする欧州の有力なパートナーとの連携を通じて、将来の月面における科学、探査、宇宙資源活用などのミッションを支える頑丈で実運用可能なローバーシステムの開発を加速していきます。」
- ALTEC CEO、Vincenzo Giorgio氏のコメント
「ispace EUROPEとの合意は、ALTECがこれまで培ってきた惑星探査ミッション運用の経験を活かし、将来の月面探査を支える能力をさらに発展させる機会となります。イタリア宇宙機関の資金提供を受けて開発を進めている、新たな月面シミュレーションセンターは、ロボティクスによる月面ミッションの試験、シミュレーション、運用支援のための重要な基盤となります。これらの施設や能力を、月面探査ローバー技術の開発、検証、運用にどのように活用できるかをispace EUROPEとともに検討し、より強固な欧州の月面探査エコシステムの構築に貢献できることを期待しています。
月面探査が、より高頻度かつ複雑な月面ミッションへと移行する中、実際の月面に近い環境においてローバーの運用を試験し、検証する能力は、今後ますます重要になります。本覚書は、こうした領域における欧州の能力強化を支えるとともに、安全かつ信頼性の高い、効果的な月面活動の実現に向けた両社の共通のビジョンを推進していくものです。」
- 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することが出来た。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経済産業省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」によるミッション3の打ち上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指すミッション4の打ち上げを予定している。
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i 当該打上げ時期については2026年10月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年10月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。
ii 2026年10月時点

