国産ランダー×国産ロケットで、民間主導による日本の月面輸送システム構築へ
株式会社ispace(本社:東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下、ispace)(証券コード9348)と三菱重工業株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長CEO:伊藤栄作、以下、三菱重工)(証券コード7011)は、2028年に予定している月面着陸ミッションにおける、新ランダー(月着陸船)「ULTRA(ウルトラ)」の打上げに関して、日本の基幹ロケットであるH3ロケットによる打上げ輸送サービス契約を7月29日(水)に締結しました。

H3ロケットとULTRAランダーで構築する月面輸送システムのイメージ画像
本契約により、ispaceは三菱重工がこれまで培ってきた信頼性の高い輸送能力を確保し、「ULTRA」による確実なミッションの実行および成功に向けた体制を強化いたします。国産ランダーと国産ロケットで遂行する月面輸送システムの構築となる本ミッションは、日本の宇宙産業を月へと拡張させる画期的な一歩であり、新たな月面探査の時代の象徴です。
ispaceはこれまで、過去二度の月ミッションを通じて月面への軟着陸を目指し、いずれも月周回軌道まで安定的な到達能力を実証してきました。その経験と技術的知見を生かし、現在は、経済産業省のSBIR補助金を活用し、新たなランダー「ULTRA」の開発を進めております。より高性能かつ高品質、さらに早い月へのアクセス能力を備えた「ULTRA」の開発を通じ、月面への高頻度かつ低コストの輸送サービス確立を目指しています。
三菱重工は、長年にわたり日本の宇宙開発に参画してきました。現在は、H-IIAおよびH-IIBに代わる次世代の大型基幹ロケットであるH3ロケットの開発・製造を担当しています。今後もH3ロケットによる安定的な打上げ輸送サービスの提供を通じて、国内外の多様な宇宙ミッションを支え、宇宙産業の発展に尽力していきます。

ispace本社にて開催された共同記者発表会での契約締結署名セレモニーにて
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部長 五十嵐巖(左)
株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史(右)
地球から宇宙へアクセスする第一歩となる打上げ輸送能力の確保は、国の宇宙産業を安定的に育てる上で不可欠な要素です。三菱重工が有する確かな打上げ技術に加え、ispaceが有するランダー開発および運用実績を組み合わせ、日本の民間企業の連携による月面輸送システムを実現することは、国内の宇宙産業をさらに月へと拡張させる上で画期的な一歩と言えます。
さらに、両社は本契約を契機として、輸送サービスにとどまらず、将来的な月面インフラ構築や関連技術領域における協力関係の強化についても検討を進めてまいります。国内産業が一体となった月面探査・輸送システムの形成を継続的に促進し、日本発の宇宙産業基盤の拡大とシスルナ経済圏の創出に貢献していきます。
- 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田 武史のコメント
「このたび、2028年に予定しているミッション3の「ULTRA」を、H3ロケットにより打上げるための輸送サービス契約を締結出来たことを、大変うれしく思います。数々の運用実績を積み重ねた国産ロケットの系譜を受け継ぐH3ロケットに、ispaceが開発するランダーが搭載され、月を目指す – これは日本の民間企業が主体となって月面開発を推進していく新たな可能性の象徴です。ミッション3の成功はispaceの商業化初期フェーズにおける重要なマイルストーンであり、H3ロケットの活用により、より信頼性の高い月面輸送システムを確立できると確信しています。」
- 三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部長 五十嵐 巖のコメント
「ispaceが進めるミッション3「ULTRA」の打上げ輸送サービスを、H3ロケットで担えることを大変光栄に思います。三菱重工が培ってきたロケット技術と運用実績を生かし、安全かつ確実にランダーを宇宙へ送り届けることで、ミッションの成功に貢献してまいります。民間主導の月面開発における新たな協力も視野に入れ、ispaceと共に日本の宇宙産業の新しい可能性を切り拓いていきたいと考えています。」
- 株式会社ispace ( https://ispace-inc.com/jpn/ )について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約350名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスおよびデータサービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、新たに月周回の自社衛星を活用した、通信・測位を中心とするルナ・コネクトサービスの提供も目指す。2023年には民間企業として世界で初めて月面着陸に挑戦するミッション1を実施。2025年にはミッション2を実施し、月周回までの確かな輸送能力や、ランダーの姿勢制御、誘導制御機能を実証することができた。最速2027年には新ミッション2.5として月周回衛星1基を月周回軌道へ投入することを予定。2028年iには、経産省のSBIR補助金を活用し、日本拠点が主導で開発を進めるランダーモデル「ULTRA(ウルトラ)」による新ミッション3(旧ミッション4)の打上げを予定しており、続く2029年iiには南極近傍への高精度着陸を目指す新ミッション4(旧ミッション6)の打上げを予定している。
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i 当該打上げ時期については2026年7月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、ispaceが補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション3(旧ミッション4)は、当初2027年中の打上げとして経産省およびSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年7月時点ではispace社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁およびSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経産省により正式に計画変更が認可されることとなります。
ii 2026年7月時点

