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ispace、ミッション1マイルストーンのSuccess3を完了

2022年12月16日

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1において、引き続きミッションコントロールセンター(管制室)からランダーの安定した運用を行っております。本日、ミッション1の顧客ペイロードに不備が無いことの確認が完了いたしました。これにより、12月12日に完了した初期クリティカル運用状態の確認と併せて、ミッション1マイルストーンの第三段階である「Success3」が完了いたしましたことをお知らせいたします。なお既に昨日発表の通り、ispaceはマイルストーンの第四段階である「Success4」についても既に完了しております。

■ HAKUTO-Rミッション1ペイロード

ミッション1では現在7個のペイロードを月に向けて輸送中です。ランダーの上部には実験装置やローバーなどの顧客の荷物(ペイロード)を搭載するエリアがあります。ペイロードエリア内では宇宙の過酷な温度環境にさらされず、一定の温度範囲に保たれるため、様々なミッションが顧客毎に実施することが可能な設計になっています。またランダー本体からは電源および地球との通信が提供されるため、ランダー起動時から運用終了時までに様々な科学ミッション・研究開発ミッションを遂行することも可能となる予定です。
ランダーの安定運用を確立後、一つずつ顧客ペイロードの確認作業を行い、本日、搭載している全ての顧客ペイロードの温度、姿勢、電源供給、通信を確認し、打ち上げ後もランダーがペイロードを計画通り運用可能であることを確認いたしました。

初回軌道制御マヌーバを完了したランダーは引き続き安定航行を続けております。この後1か月間にわたるノミナルクルーズと誘導制御マヌーバを行い、安定して深宇宙航行が可能であることを確認完了いたしましたら、ミッション1マイルストーンのSuccess5について改めてお知らせを予定しております。

■(更新)カメラの搭載位置について
12月14日のプレスリリースで公開した画像で、一部のカメラ位置の矢印の位置がずれておりましたので、下記の通り更新のご案内をさせていただきます。

■ 10段階のミッション1マイルストーンについて
ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定しており、それぞれに設けたサクセスクライテリアを達成することを目指します。ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合にも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握した上で、2025年までに後続するミッション2、アルテミス計画に貢献するミッション3へとフィードバックし、技術と事業モデルの信頼度及び成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画しています。各マイルストーン達成の進捗状況等は適時に公開を予定しております。

■ ミッション1マイルストーン詳細

■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在200名以上のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営していました。2022年7月時点で総計約268億円超の資金を調達。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。  
SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年にミッション1、2024年 にミッション2の打ち上げを行う予定です。ミッション1のランダーは、2022年12月11日に打ち上げられました。ミッション1の目的は、ランダーの設計及び技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証及び強化です。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされます。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画です。
ispace technologies U.S., inc. は、2025年 に月の裏側に着陸予定のNASAのCLPS(Commercial Lunar Payload Services)プログラムに選出されたドレイパー研究所のチームの一員です。ispaceとispace EUROPE S.A. (ispace Europe) は2020年12月に、NASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を獲得しました。ispace EuropeはESAのPROSPECT(月面での水の抽出を目的としたプログラム)の科学チームの一員に選ばれています。

■ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について
HAKUTO-Rは、ispaceが行う民間月面探査プログラムです。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う予定です。SpaceXのFalcon 9を使用し、それぞれ2022年にミッション1(月面着陸ミッション)、そして2024年 にミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定です。ミッション1のランダーは、2022年12月11日に打ち上げられました。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、住友商事株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社が参加しています。

(i) 2022年12月時点の想定。
(ii) 2022年12月時点の想定。
(iii) 2022年12月時点の想定。

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